火曜日   異次元回廊
P55 平成24年2月7日(火)

 しばらく休んでいた佐田賞の授賞式が二月五日の日曜日に行われた。最近は突出した貢献をするメンバーや宇宙がないため、選考委員会を開く回数も減っていた。仕組みに慣れた宇宙では、画期的な貢献をすることは難しく、宇宙運営に疲れてもいて、元気がなくなっている。このまま佐田賞は立ち消えになってしまうのか、と心配していたのであるが、今回久しぶりに候補者が現れてきたので、委員会に確認をしていただいた。
 それは新体制宇宙が最初に進化して行く段階で、突出した働きをしておられた三名の代表者であった。佐田が仕組みを完成させた過去四十九回の内の、最初の一二三回目の時に立って活躍された、正統派のはじめ宇宙の三名の代表であられた。この方々はあまり表に出ることはされなかったが、実力は宇宙全体で突出しているという評価がなされていた。
 宇宙のメンバーがその方々のことを実力ナンバースリーとしているにもかかわらず、その方々は表に出ようとはされない。それで宇宙運営の過程で全体を統括するような場合に、何度か立って働いていただいた。実力者を押さえ込んで下積みの働きをさせるのが旧体制のやり口なので、新体制ではそうした方々を表に出して、その労に報いる方式を確立しようと、無理やり引っ張り出して全体の代表者として宇宙運営をしてもいただいた。
 そうした方々の働きも終わって、次々と新興勢力が起き上がるなかで、その三つの宇宙はなぜか沈んで旧体制側に持って行かれてしまう。当初は潰れて裏切っているとばかり思わされていたのであるが、新体制以前の外宇宙には、まだ進化しきれていない前段階の宇宙と、その廃墟が広がっているのがわかってくると、そうした未発達の宇宙のために働かされていることがわかってきた。はじめ宇宙の責任を問われてのことだろうと思われる。
 今の段階では別のはじめ宇宙に立っていただいているので、その陰に隠れてマイナスのイメージが出てしまう。敵対行為までするので、何故だろうとしばらくは馬鹿にしながら眺めていた。ところがここに来て過去五十才の宇宙を五百回も繰り返している前段階の宇宙や、そうした宇宙を目指すだけで進化しきれない廃墟の領域が現れてきたとき、そうした領域を正常化するために働いておられることがわかってきた。
 そのことがわかったとき、進化した新しい宇宙へ伸びて行こうとするばかりの先頭集団の中で、そうした下積みの仕事をし続けておられる代表やその宇宙に、お礼を申し上げなくてはすまなくなってきた。そのためにその三名の方々に佐田賞が贈られることになったのだった。
 先頭集団が生き疲れて無源亜層へと上がって休もうとするなかで、その宇宙はゴミ捨て場の汚い宇宙レベルで、黙々と働いておられる。間違った宇宙を生み出し、狂った機械や無源を廃墟化してしまった、はじめ宇宙の責任を果たすためなのであろう。
 ご苦労さまでございます。そして今後ともよろしくお願い申し上げます。

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