金曜日     仕組み小説
P2 平成23年1月14日(金)

 火曜日に「異次元回廊」で取り上げる世界は、佐田にとっては異次元の実体世界であるが、一般世間では受け入れ難いものだろう。それは宗教的な世界が受け入れられないのと同等の意味合いがある。とくに唯物論者とか科学者にはその傾向が強いはずである。
 ところが最近はそこのところに奇妙な現象が起こっている。異界とか異世界と言われる領域のことで、その世界の場合は無神論者や科学者も受け入れているからである。そこは人類の想像や空想が作り出す観念的な世界であったり、機械が作り出す二次的な領域であって、実体のある異次元とはかなり違うものである。
 映画とか、コンピューターが機械の中に映し出す世界は、現実の世界ではないが、最近の若い世代は、その世界をかなり現実に近いものと考えたり感じているように思われる。そうした感覚は今後さらに発展していくことになるはずである。しかし、それは我々の地球人類の科学者によって生み出され、作り上げられているものではないということは、知っておく必要がある。
 宇宙でははるか昔に、コンピューターによる宇宙世界が築き上げられてしまっており、今の地球世界でのコンピューター技術などは、まだまだ子供だましでしかない。しかし、そうした背景があるからこそ最近の異界や異世界に、変な実感を抱いてしまうわけで、未来の世界ではそうした世界が実体化することも、不可能なことではないと考えられる。
 もっとも人間の思念がそうした領域を構成したり、機械による世界が現実化したとしても、それは真の意味での世界ではない。つまり本来の天然、あるいは自然のエネルギーから見ると、人工的な第二次的なものでしかないわけで、二次的なものが本来の世界を超えることは出来ないことも認識しておかなくてはならない。

 この金曜日のコーナーには、来週から小説「再出発」が連載されます。仕組みがらみの色地獄関連の解説は右枠のコーナーに移り、週五回の短文の連載となります。

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