月曜日   第三期の仕組みの前段階  
  P23 平成18年3月20日(月)  

   明治維新を導いた大衆運動の一つに、幕末から明治にかけて、大きなうねりを起こした宗教活動がある。言わずと知れた黒住、天理、金光、妙霊、大本の新興宗教のことである。これらはいずれも龍神界が母体となっているのであるが、なぜこの時期にこうした宗教活動が起こったのか、という問題には、明治維新の新しい息吹に呼応しているくらいのことしか説かれてはいないのではあるまいか。
 もちろんそれはそれでいいのであるが、明治維新というものが、ただ単なる政治的な新時代の幕開けを告げるものだけであるなら、それでもいいのかもしれない。しかし、江戸から明治へと移行する時代の背景には、仕組み的に見ると、まったく別の要素があることがわかるであろう。縮図日本における第二回目の仕組みの幕開けを告げたのが、明治維新という新しい動きだったのである。しかし、そこには前哨戦としての妙な仕掛けがしてあった。
 それが龍神界の新宗教運動に見られるのである。筆者の見るところ、それらの一大宗教運動を起した教祖方は、皆神隠し系の超能力者達であって、そこには仕組みの前知らせを示すと同時に、仕組みつぶしのカモフラージュ役もさせられていた節が感じられるのである。それらの宗教運動は、最後に大本教の神劇が演じられることで幕が閉じられるのであるが、その神劇は、つぶされて埋没していたクニトコタチ大神と妻神のヒツジヒメ大神が復活する、というものであった。
 そして、これが明治維新にも体現されているクニトコタチ天皇の出現であったわけなのである。残念ながら新体制の天皇家の場合は、皇后がヒツジヒメ系ではあっても、アマテラス系、つまり娘筋のワカヒルメ大神であって、母筋のヒツジヒメ大神にまではなりきれていない問題点が残されていた。それは新天皇の仕組みが龍神界ではなく、神界レベルの動きを現していたからであった。というよりも、賢者系の人間神レベルと言うべきかもしれない。
 天皇家には大和朝廷より引き継いだ天皇家独自の課題があって、それをこなさなければならないのである。しかし、ここにも真の仕組みを覆い隠してつぶそうとする仕掛けがあって、天皇家もそのことに気がつかないまま今日に至っているわけである。真の仕組みとは、当然五世代六セットの現代の仕組みであって、ここでは仕組みの第一世代の大本教の出口王仁三郎聖師の、霊界の仕組みにスポットが当たらなければならなかったのである。しかし、王仁三郎聖師がその霊界の仕組みに取り組み始めると、龍神界の出口なお教祖は、彼が道をそれたと言って止まなかった。
 また天皇家にしてみても、その仕組みをつぶすために、王仁三郎聖師にあらぬ出生の秘密を持ちかけて、陰から彼を取り込もうとし始めたのであった。つまり彼に天皇家のタネが入っている、という虚偽の情報であった。この情報が彼の感覚を狂わせる一つになったことは間違いないことではあろうが、とにかく仕組みというものは成功するよりも失敗するためにあるようなもので、やればやるだけ次から次へとこなしきれないほどの難題や仕掛けがやってくる。これをこなしきることができずに、ほとんどの仕組みがつぶれていっている。
 しかし現代の仕組みは、神界コースレベルでまだつぶれずに進行し続けており、そのことが過去の仕組みの滞りをほどく働きもし始めている。そのためこうした文章を書き始めているわけであるが、仕組みの先行組の方々も、今ではこうしたことを再認識し始めておられるので、少しずつ過去の失敗、あるいは未完成の課題に取り組む動きも現れ続けている。
 
 
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