火曜日   異次元回廊
P124 平成25年7月9日(火)

 本年ももう半分が終わって、後半戦に入っている。修復と構築の課題は、これからが正念場ということになるようである。総合先導役の佐田はもう七十才、現役を引退すべき年令である。仕組みの問題は、そうした老人に頼るしか方法がないところにあって、宇宙が佐田にした約束を果たすことができるかどうかに、今後の課題がかかり始めた。
 佐田には仕組みの過剰な負担がかかっていて、七月半ばがその分岐点であるらしい。つまりそれ以上は佐田がもたないというわけである。それが打開されないときには佐田の命がないということで、この十日までがその境目となっているらしい。そんなこんなで佐田の方は相当息苦しい毎日が続いている。事務所を移してみたが、その程度で打開できるものではないようである。
 太陽系をほどくことから始まって、佐田の寿命の問題、金の問題、健康の問題、そして異次元回路の問題と、次から次へと佐田に対しては仕組み的な約束がなされてきた。ところがそのすべてが守られなかった。そのツケがここにきて破局的なものにまで発展してきているようなのである。そうした約束が守られない限り、仕組みが完成されることはない。
 この宇宙には始めからそうした不具合が存在していて、それを何とかしようとたくさんのメンバー達が努力し続けてきたが、未だにその不具合は解消されてはいない。誰も彼もが投げ出してしまったなかを、佐田が過去四十九回もかけてやり続けてきているが、今度もまたそれを乗り越えることが出来なくなり始めている。
 佐田は先導役としての自分の課題はこなしている。やらないのは無源を始めとした宇宙やメンバー達であって、先導役は常に見殺しにされて終わっている。今回もそうなってしまいそうであるが、それをどうにかしようと、やっとその問題が宇宙では正面に取り出されてきている。だからといってそれだけで解決できるほど簡単な課題ではない。

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