月〜金曜日  ゴミ捨て場(色地獄三派)小説
平成23年4月19日(火)〜

 宇宙のゴミ捨て場のそうした色地獄三派のような領域を、仕組みで調整する場合、その大掃除やヘドロをどう扱うか、それが先導役である佐田の特別課題として提示されたのは、神界コースの仕組みの第一段階目が終ってからのことであった。1999年で神界コースの仕組みが終了したとされ、旧体制の仕組みの設定である物領賢者コースの第四世代へと仕組みがバトンタッチされた後、そちらを補佐するような形での作業として提示された。魔神界の仕組みもそれと重なるようにして出されてきたが、それも若い世代をバックアップするためのものであった。
 しかし若い世代の物領賢者、その中の科学者の仕組みグループ、特に先導役がその役目を放棄して、仕組みが再び神界コースに戻ってきてからは、色地獄三派や魔神体制の仕組みは、以前とはまったく違う色合いを帯びてくることになった。補佐的な作業から本格的な課題に変貌して、前面に立ち塞がってくるほどのものとして発展していったのであった。
 魔神体制の場合は、正しい体制と機械体制の三つの中の一つということになるので、まだわかりやすい。ところが色地獄三派の課題ということになると、男と女と子の三つの内の一つではあっても、かなり複雑に歪んだりねじれたりよじれたりしているために、非常にわかりにくいものになっているのである。表向きの男と女と子の三つであれば、簡単明瞭であるが、前述したように創造段階でのつまずきがあって、それが科学者や機械によって覆い隠され、表面上まともに見えるように作り替えられてしまうと、手に負えないものとなってしまう。真相が見えなくなるばかりではなく、本体部分の不具合なものが、膨大な領域にとどこおって残ってしまっているからである。
 男の場合はほとんど問題はない。女の場合その本姿が口の裂けた身体ということになると、キリスト教の魔女狩りではないが、かなりの難問を抱えることになってくる。それが子ということになると、簡単には解けない謎々になってしまう。ゴミ捨て場の使い古しの機械部品を集めて、子供ロボットを作り出すような工程になってくるからである。
 廃墟化したヘドロをよみがえらせると、そうした旧体制のおぞましい世界が起き上がって活動し始める。表向きの男と女の形は、オロチや金毛九尾を中心に支配欲や金銭欲を中心にしたものになっていくが、子の場合は色欲ラッパの色地獄が現れてくるのである。しかも性欲の象徴である色欲魔ばかりではなく、宇宙の支配者である思い上がりの鬼がついているので、始末に負えない難題がからんでくる。
 永遠の絶対支配を目指している宇宙の創造者は、ムツゴロウと自ら名乗った妖怪であるが、実質使い古しのヘドロの中でうごめく機械のコピーロボットでしかない。しかし、その絶対権威には欲望が究極まで追求された結果の魔的な諸々がからまっていて、始末に負えないものとなっている。そして最悪なものとしては、ゴミ捨て場で機械ゴミを集めて懸命に生きている自分の子供に背後から寄り付いて、そこから表の宇宙を支配するという形が作り上げられているところにある。それをゴミ捨て場の五女体制と言っているのであるが。
 そうした背景の中では、本来は子供の領域とされている所に、色地獄三派と呼ばれる三つの膨大な領域が作り出されているため、宇宙浄化宇宙変革の仕組みの側から見ると、どうにもならないほどの難問が積み重なってくる。そうしたおぞましい領域の清掃作業が、二段階目に入って総合先導役に成長しようとしていた佐田への課題として出されたのであった。それは課題と言うよりはむしろ、仕組み潰し、あるいは先導役潰しと言ってもいいような、旧体制側からの反発であったとも言えよう。
 そうした課題に対して佐田は、三つの対策を立てて取り組むことになっていった。色地獄三派と言われる三つの領域、一つは血の池地獄のエサ子精神異常の調整として小説、溜め池地獄の反身片端の調整としてダンス、そして色地獄の生殖器障害に関しては、色街探索探訪という手法で取り組むという計画であった。三領域の課題は一つにつき三年の時間設定がなされ、色地獄から取り組まれていった。
 最初の三年の色街探索探訪は無事に終ったけれども、からみで小説の舞台とされて今に至っている。二番目の三年は反身片端の課題で、これはスポーツとかダンスといった身体のトレーニングを必要とするもので、はじめはフィットネスクラブや社交ダンスで取り組まれたが、次第に妨害が激しくなって変化していった。登山は禁じられてしまっているために、街歩きをかねて五十県の県庁福祉課巡りが課題に代り、さらには美術館巡りへと変化して終った。
 そして最後の三年が、エサ子精神異常の課題を小説を書いて発表することで調整するというもので、現在このコーナーで取り組んでいるのが、その課題となるわけである。そうした特殊な取り組み方を強いられているのが佐田の小説で、まともな創作活動であるとはとても言えない。ゴミ捨て場小説とか、色地獄小説などと、余計なことを言わなければ書けない性質のものなのである。

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