金曜日   仕組み小説第三部「光を求めて」
P19 平成24年11月2日(金)

 何、哲? 哲に関係があるのか? やっばりそうなのか? 哲はいるのか?いないのか? どこにいるんだ? 呼んできてくれ。駄目なのか? なんでだ?お前たちは哲の何なんだ? わからない? らちがあかないな。うるさいよ。もうだまっていてくれ。仕事ができないじゃないか。仕事なんかさせないんだと? それはちょっと問題だな。生活できなくなってしまうだろ? そんなこと知ったことじゃない? ごみだらけのこの頭をなんとかしなくては。消えろ、消えろ、消えてしまえ。これじゃ駄目か。頭の中をきれいにしてください。誰に頼むんだ? 頼める神も仏も先祖もいないじゃないか。それなら自分でやるしかないわけだな。自分でやればいいんだろ? やってやるよ。見てろよ。きれいになあれ。排除しろ。出て行け。頭の洗濯を致しましょう。つまりは浄化、クリーンナップということだな。日本語のほうがいいのか。それなら浄化だな。浄化、浄化、浄化‥‥‥‥‥

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 呪いをかけられているという情報は、必ずしも嘘ではなかった。呪い殺そうとしているエネルギーが感じられるようになったのは、ガチャガチャする意識を浄化調整し続けていって、それが効果を発揮し始めた頃からだった。自分の体に異常な苦しみが巻きついて来る感じ。それは外界からの働きで、彼のものとは違う妙なエネルギーだった。病気の苦しみとも違う、想念か、観念か、そうした思念的な力としか思えないような、普通の次元とは違う領域から、何かが襲い掛かって来ていたのであった。
 何だ、これは。呪術という感じがするけど、誰が、何のために仕掛けてきているんだろう。俺が何をした? 誰かに恨まれるようなことなどしたはずもないのに。いったい誰がこんなことをこちら向けにしているんだろう。しかし苦しいな。何とかしなければやられてしまうぞ。どうすればいいんだろう。押し返せばいいんだろうか? 念で返せばいいのかな? とにかく何でもやってみるしかない。

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