火曜日   異次元回廊
P63 平成24年4月10日(火)

 七日の日に無源の頂上とされる五千階段を昇りきった。当面の限界点である。いつものような偽情報かもしれないが、今までにない領域まで昇り着いたことは間違いないようである。それから後の変化は、旧体制の狼狽ぶりが目立つばかりで、あまり面白いところはない。
 今後はさらに残留機械との戦いが激しくなることが予想されるが、地球人類が人工知能化されることはなくなるのではあるまいか? 今まではそれもやむを得ないこととしてきたが、最近ではその形は耐え難い。旧体制の宇宙文明はあまりにもおぞましいからである。
 旧体制の最終拠点とされてしまっている太陽系は、普通であればこのまま機械文明化が進み、人間や神仏もロボット化するしかなかったと思われる。しかし、仕組みはそれを乗り越え始めている。喜ばしいことである。だからといって楽観していると、簡単に逆転されてしまう恐れも感じられるが。
 残留している旧体制は二、三パーセントと少ないが、宇宙の創始者組は常にそこに残り続けてきているので、そちらが同意しない限り完全な宇宙の脱皮はない。前日また新しい宇宙の創始者が最初の宇宙と共に現れたが、機械に潰されたままの状態であった。本物かどうかは今後の展開を見ないとわからないけれども、その可能性はないわけではない。
 問題は新体制化している宇宙にも二、三パーセントの旧体制組がいることで、我々の宇宙にも、太陽系にもそうした支配者層が存在しているので、まだまだ新体制に移行したとは言い難い。それを真の新体制に切り替えるためには、機械を克服することがどうしても必要なことであるように思われる。
 宇宙の望みは新生脱皮ではあるが、宇宙の創始者がそれを認めなければ、革命は簡単には成立しない。ただし、創始者も機械に潰されているので、そこの調整がうまくいけば達成できるかもしれない。保証も成功例もないので、確かなことは言えないけれども。

 一夜が開けた十日の今、宇宙はまたはるかな廃墟無限へと広がり続けている。

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