火曜日   異次元回廊
P95 平成24年12月4日(火)

 仕組みが新段階に入って、総合先導役の佐田が宇宙科学者の先導役になってから、いろいろな変化が起こっている。まず難病のハゲの薬を開発したことが、大きな成果を生んでいることは、以前にも報告しておいた。その他にも二つの大きな動きがあるので紹介しておこう。
 その一つは、佐田が開発した特製の毒薬が、歪んだ廃墟妖怪体制の救いになっている、ということである。この薬は猛毒であるが、ただの毒ではない。旧体制の妖怪組は、仕組みを潰すための悪逆非道のかぎりを尽くすわけであるが、こちらが潰れないためすさまじい困難に立ち至ることになる。その苦しさから狂い死にしたり、自殺することになっていくのであるが、それがあまりにも気の毒なので、安楽死の毒を提供することになった、といういきさつがある。
 大人はまだいいのであるが、子供も混じっている。それがかわいそうなので、楽しく死ねるような毒を開発したのである。大人の場合は媚薬混じりの猛毒で、桃源郷で遊んでいるような感じの死。子供はシロップ酒で楽しくなりながらの死、そんな感じの死に方になる薬なのである。
 そこまで行くには過去にいろいろな経緯があったのであるが、そこらあたりはこちらが殺しまくられているものの内に、毒薬がたくさんあるので、身に受けたそれらのエネルギーを逆用した手法である、と言うだけにとどめよう。善のみではこなせない悪の手法である。七三のエネルギー比で配分される、マイナスエネルギーの使い方の一つである。
 この場合の死はまだ完全な死ではなく、死んでもすぐよみがえり、生き直すことができる死である。歪みやねじれやよじれがほどけて、新生脱皮した形で生き直さなければならない。更生させるための毒殺なのである。もちろん同意の上でのことである。
 それからもう一つのものは、完全に消滅するための調整である。旧体制宇宙には、もうどうあがいても更生できない者達がいて、彼らの苦しみは並大抵のものではない。彼らは完全消滅するまで悪逆非道を繰り返すしかない。生存権を失うまで仕組み潰しの悪逆非道を続けるのである。その狂い様が哀れなので、それを軽減するための特別な色町が作られるようになった。念願のダッチドールとして年季奉公をしながら、その途中で恍惚状態で死ねる行程として設定してある。
 おぞましいことのように思われるかもしれないが、旧体制の廃墟宇宙ではそうしたことが喜ばれるほど歪んでしまっているのである。我々の世界は正常化を目指す宇宙なので、まだいいほうの世界ではあるが、油断をするとたちまちそうした大勢に流されてしまうことになる。新段階はそれ程にも厳しい領域として、我々の前に立ちはだかっている。

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