火曜日   異次元回廊
P103 平成25年2月5日(火)

 渋谷のザ・ミュージアムで催されている白隠展が変に気になって、先日出かけたところ、そこから仕組みがらみの面白い展開になっていった。小説で取り上げる必要もあったので、めったにない機会なので出かけたのだったが、縁とは不思議なものである。
 筆者の宗教参入は禅から始まっており、鈴木大拙翁の選集のご厄介になったのであるが、そこに白隠禅師の有名な考案が紹介されていたのであった。「隻手の声を聞け」とか、「趙州無字」など、その特異な取り組み方に衝撃を覚えたものであった。そのことが懐かしくて、禅師の特異な絵を見ながらいろいろ思い巡らしていると、白隠禅師と意識が繋がってしまった。
 中国始祖の臨済禅師とも繋がったのであるが、日本の臨済宗の中興の祖であることと、それを守り抜かなくてはならないお立場のことなどから、ちょっと面白い展開になっていったのだった。最近は増上寺がらみの問題などで、仏教やお寺とかかわり続けているので、そこらあたりのことも含めて、仕組みの課題へと進展していったのだった。
 白隠禅師は仕組みのことはよくご存知で、佐田のことも承知しておられた。しかし、臨済宗を守らなければならないお立場から、宇宙へは昇らずに今でも衆生のために、日本で働いておられるとのことであった。仏教の方々は弘法大師をはじめとして、なかなか仕組みを受け入れてくださらないが、この方は違っていた。鈴木大拙先生もそうであったが、この方も宇宙の本質を見抜いておられた。そして、それをすぐ宇宙で実証してくださった。
 そして、自分は臨済宗を守るために、宇宙ではなく日本で働いているのだと言われる。それはそれで立派なことなので、さすがと賛嘆したものであった。仕組みの役目があっても宇宙で活躍することを望んで、地球を離れる方々が多いなかで、自分のところを心得ておられる、そのことがいたく心に響いたものであった。
 それから少し禅問答をしたのであったが、ツーカーの対応で、合格点をいただいた。それで佐田が預かっている釈迦の衣鉢を引き継いでもらえまいか、と依頼したのであるが、残念ながら引き受けてはいただけなかった。きつすぎると言われる。しかし仕組みに関しては、軽くこなしておられるようだし、縮図や地球、さらには太陽系から宇宙へと至る仕組みに、日本の現場で対応しておられる貢献度が高いと感じられたので、佐田賞の審査をしていただくことになった。
 資格十分ということで、すぐさま授賞式となったのであるが、それはそれは気持ちのいい展開であった。二月三日の節分の朝、開ける星で授賞式が執り行われたが、宇宙からは大勢の皆様が参加され、太陽、エベレスト、富士山、そして妙心寺へと祝賀会は移されての大催事となっていったのであった。

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